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クラウドゲートのゲーム用。 ただし、更新頻度は非常に低い。
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「満~って未だ帰ってないのか?」
そう声を掛け、あたしはがらりと満の家の扉を開けた。
中を見渡してみる。
やっぱり居ないようだ。
「仕方がない…待つか…。」
勝手知ったるなんとやら、とっとと中に入り押入から布団を取り出す。
「干して置いたからふかふか…なんだよな~。」
鼻歌交じりに布団を敷きそこにダイブする。
近頃は自分の部屋で居るより満の部屋で居る方が多い気がするな、と思いつつ。
…半同棲と言うべきなのかもしれない。
いい加減どちらかに引っ越した方が良いのかも知れないな。
「ま~いっか。」
そこいらへんは特に気にする事じゃないしと夢の中へと旅立っていく。
……家主の帰りも待たない酷い人である。



「…レイア…フレイア…。」
呼ぶ声と、体が揺すられる感触にあたしは目を開けた。
「ん……お帰…りぃ…。」
未だ寝ぼけているあたしは目をこすり体を起こした。
そして感じる違和感。
何かがおかしい。
「ん???」
瞬きをしてみる。
出も違和感は消えない。
「えっ?????」
何度も瞬きをして、目を擦ってみる。
しかしその違和感の元は消えてくれない。
もう一度よく見てみる。
じーーっとよく見てみる。
「なぁ……何で満が二人いるんだ??」
目の前には仏頂面の満…が二人。
「しらん。」
綺麗にハモった声。
その声に二人の満はさらに顰めっ面を深めていく。
「…何か心当たりは???」
あたしも混乱してきた。
全く同じ顔、同じ声、そして同じ癖。
どこから見ても満。
なのに二人いる。
「わからん…。」
「聞かれても困るぞ?」
右の満が言えば左の満もそう答える。
「な、何がなんだか…。」
思わずあたしは頭を抱え込んでいた。
何故?
どうして?
頭の中に疑問符が大量発生している。
「だぁぁあっぁぁ!!!」
考え込みすぎて思考が爆発してしまった。
思わず叫んで、頭をがしがしっと掻いてみる。
「だ、大丈夫か?フレイア。」
「どうした?フレイア。」
心配そうな二人の満の声。
両肩に手が触れる。
どうやら双方が双方ともあたしの肩に手を置いたらしい。
「……触れるな。」
ぼそりとどちらかが呟いた。
「どっちがだ。」
さらに低い声もう片方が答える。
恐る恐る顔を上げればあたしを挟んでにらみ合う二人が居た。
だんだんと肩に置かれた手に力が籠もっていくのが解る。
……怖いんですけど…そして痛いんですけど…。
滅多に見ない満の怖い顔。
それはそれはそれで格好良くて、それが二つあるからなお眼福?とか巫山戯て考えてみる。
……そんなことをしても事態は好転しないのであるが。
現実逃避をしているあたしを尻目に、二人の睨み合いはどんどんとエスカレートしていく。
ついでに肩に置かれた手の力も倍増していく。
「っ痛いっ!!」
我慢の限界越えて流石のあたしも声が出る。
「すっ、すまん」
これまた見事にハモる満の焦った声。
「大丈夫か?」
顔を覗き込むタイミングまで一緒と来た。
「だ、大丈夫だけど…流石に痛かったぞ?」
…握り潰されるかと思った。
おろおろとしている満。
二人分だとなお可愛いな、なんて思って思わず笑みがこぼれる。
「そ、それなら良いのだが。」
この台詞までハモるのは流石というか何というか…。
あたしの心配している時だけ相手を忘れるらしい。
…そして気が付くと。
「…退け。」
「そちらがな。」
今度は目の前で言い争い。
……取り合って貰えるなんて女冥利に尽きるのだが、相手が両方とも満って言うのが妙な感覚だ。
「取り敢えず…原因考えないか?」
仲裁がてら、そう言ってみる。
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