酒場は面白い。
普段逢えない人や声かけ辛い人も軽く声を掛けられる。
んでここでは俺もガキ扱いされない。
自己責任だから。
自分でやったことに責任が持てないなら来るなっていわれた。
…なんもしねぇから、ただ話聞きたいから、そう言ったら笑われたけどな。
実際、俺なんて相手にして貰えないほどみんなつえぇじゃん、っつったら笑って頭撫でられた。
なんもしねぇ、話し相手なら別に構わないぜって。
…そんなところ。

爺ちゃんはまだ早い、ってたけどばーちゃんが何事も人生経験だって笑って許してくれた。
たまには良いこというぜばーちゃん。
だから俺は良く酒場の隅で座ってる。
おっちゃんたちの話に耳を傾けつつ。
たまに馬鹿が居るけど、そこらはすぐ排除される。
そんな感じ。
夜の酒場にはまだ早い～っつってあんま連れて行って貰えねぇけど、昼でも楽しい。

近頃友達（？）が出来た。
つか、俺がだれの孫かつかけーこ誰に受けてるかしったニーちゃん達が俺にその話聞きたがったから。
ともだちつーか…貢君？
や、だって毎回話するとジュースやらお菓子やらくれるんだもんな～。
けーこは腹減るから結構助かってる。
菓子はみんなと分けれるし。
手加減してくれねぇ～とか、転がされるとか、そんな話してもにーちゃん達は羨まし～って叫んでる。
…みんなそろってＭ？とたまに首傾げるぜ。
でも、爺ちゃん’Ｓやばーちゃん’Ｓのこと、すげー嬉しそうに聞いてくれるからちょっと俺も嬉しい。
たまにねーちゃん達にも捕まる。
うちのばーちゃんのことや竜の兄ちゃんのこと聞かれる。
…竜の兄ちゃんはともかくうちのばーちゃんやユリアのバーちゃん？
なんで？と思うんだけど人気（？）は高いらしい。
んでその後大概いい男の条件を力説される。
それぞれ違いがあっておもしれーけどな？
んで最後には「あんたはあんな男になっちゃだめよ？！」っていわれる。
いや、ぜってぇならないから、っていえば満足げに頷かれるんだ。
…だって俺女だし？
まぁ間違えられるのはいつものことだから気にしねーけど。

今日は珍しくそんなねーちゃんの一人が昼間っから酒飲んでた。
…どーやら振られたらしい。
男の悪口聞いて、頭撫でてたら…ねちまった。
ちょっと困ったけど俺のマントかけて、店のおっちゃんに後よろしく、起きたら冷たいシードルわたしたげてってお金置いてきた。

後日有ったらあんたいい男になるわって抱きしめられてほっぺたにキスされた。
この年からもうっなんて言われたけど…あれ、ふつーじゃねぇのかな？
あいつにそんな甲斐性があったら何て言いつつ。

取り敢えず、酒場は面白いところだ。